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個数定理を少しでも簡単に覚える方法

集合の要素の個数をあつかう際に出てくる個数定理ですが,感覚的にわかりにくかったり,覚えにくいと感じる人もいると思います.

 

個人差があるとは思いますが,加法と減法がまじっているものは感覚的にやや難しく,加法のみの式のほうが「わかりやすい」かと思います.

 

例えば, 115-79 という引き算を計算する時に直接引き算をするよりも, 21 たして (100にして) 15 を足す $ 21+15=36 $ を計算をするほうが簡単に思います.

引き算はできるとしても,足し算の方が考えるのが楽ですね.

 

2つの集合の個数定理は

$ n(A \cup B) = n(A)+n(B)-n(A \cap B) $

です.AとBの重なった部分を引くことで A U B がわかるので,そこまで難しくはないですが,3つの集合になってくるとイメージがしにくくなります.

 

ですのであえて式を変形してみます.

$ n(A)+n(B) = n(A \cup B)+n(A \cap B) $

加法のみの式になりました.

 

変形することで式の意味が変化しています.

$ n(A)+n(B) $

$ n(A \cup B)+n(A \cap B) $

それぞれが指し示す部分が図でみると一致し,重なり部分は 1,2,1 となっています.

 

このように重なり部分が 1,2,1 の状態を目指して両辺を作っていく,と認識できれば

$ n(A)+n(B) = n(A \cup B)+n(A \cap B) $

がイメージしやすくなると思います.

 

3つの集合の時を考えてみます.

$ n(A)+n(B)+n(C)+n(A \cap B \cap C) = n(A \cup B \cup C)+n(A \cap B)+n(B \cap C)+n(C \cap A) $

と加法のみの形に変形できますが,これは

図のように重なり部分が 111,222,4 になっています.左辺・右辺がそれぞれ

$ n(A)+n(B)+n(C)+n(A \cap B \cap C) $

$ n(A \cup B \cup C)+n(A \cap B)+n(B \cap C)+n(C \cap A) $

となって,同じ領域を指し示すのですが,そのへんを考えていきます.

 

3つの集合だと細かく分けて8つの領域が存在するのですが,集合Aに所属する領域を「A」のように書き入れてみます.($ A \cap B \cap C $ を 「ABC」 と記載)

$ ↑ n(A)+n(B)+n(C)+n(A \cap B \cap C) $ 重なり部分が 111,222,4 と確認できます.

 

右辺については,次のような図になります.ここでは$ A \cup B \cup C $ をABC, $ A \cap B $ をAB のように記載しています.

$ ↑ n(A \cup B \cup C)+n(A \cap B)+n(B \cap C)+n(C \cap A)  $ 重なり部分が 111,222,4 と確認できます.

足して引くよりも,目標に向かって足していく方が,感覚的にわかりやすいかと思いますがどうでしょうか.

 

定理も見方によって違って見えてくるので,いろんな見方をするという意味でも参考にしていただければと思います.

「サイコロの目の積が○○の倍数になる」確率の問題を考える

1から6までの自然数が等確率で出てくるサイコロを3回振るとき,以下の問いに答えなさい.

① 出た目の積が5の倍数になる確率を求めなさい

② 出た目の積が10の倍数になる確率を求めなさい

 

サイコロを振って○○,というのはよく見かける問題ですね.

2022年の福島大学の問題から選んできました.

 

①がヒントになって②につながるので,難易度としては①が簡単で②が難しいという流れです.

 

これを解いていこうと思ったのですが,直接考えていくと②が難しくて躓いてしまいました.入試問題は難問でなくても難しいですね.

 

順を追って分析していきます.

 

これは,確率の問題ではあるものの,場合の数を考える問題でもあり,集合を考える問題でもあります.

3回振ったサイコロの目を{〇, 〇, 〇}のように表すとします.

1がでて2がでて3がでる⇒{1, 2, 3}

これを1通りとすると,全部で6×6×6=216通りの場合の数があるわけです.これが全体集合(U)であり, n (U) = 216 になります.

 

「出た目の積が5の倍数になる」という事象は「{〇, 〇, 〇}の中に少なくとも1つ5が含まれる」

と言い方を変えることができます.

また「出た目の積が2の倍数になる」は「{〇, 〇, 〇}の中に少なくとも1つ偶数が含まれる」と変換できます.

ベン図にするとこのようなイメージです.$ n(U)=216 $ がわかっています.
①については $ n(A) $ の部分を求めるということなので,$ n(U) - n(\overline{A}) $ から計算できそうです.つまり全体から「5が1つも含まれない」場合を引く方針で出すことができます.

(少なくとも○○というワードがでてくるときは,それが全くない場合を考えてみる)

「5が1つも含まれない」をいいかえると,「1, 2, 3, 4, 6 のみの場合」といえるため, 5×5×5=125 通りです.これを全体から引くことで,

216-125=91 通りと計算できます.$ n(A)=91 $ 

「出た目の積が5の倍数になる」の部分が求められました.確率は全体の216で割ればでます.

 

次は「出た目の積が10の倍数になる」場合を考えます.これはベン図でみて $A \cap B $ の部分に相当します.2の倍数で5の倍数なら10の倍数になります.

このAかつBの部分を求めるためには

AのなかでBと重ならない部分 $ A \cap \overline{B} $ を求めるか

BのなかでAと重ならない部分 $ B \cap \overline{A} $ を求めるか

を考えるのが直接的だといえますが,簡単ではありません.

ただ n(B) についてはさきほどと同じように $ n(U)-n( \overline{B} ) $ を考えることで $ n(B) = 216- 3^3 = 216-27 = 189 $ と求めることができます.

(「少なくとも1つの偶数」に対して,余事象「1つも偶数を含まない場合」を考える)

次の方法として,間接的に求められないかを考えていくことになり,

この場合は,$ A \cup B $ について求められないか,と考えます.ここも簡単ではないため,さらに間接的に,AでもBでもない図の外側の部分( $ \overline{A} \cap \overline{B} $ )を使うことを考えます.

このAあるいはBの外側の部分は $ \overline{A} \cap \overline{B} $ あるいは $ \overline{A \cup B} $ と表され,「5が1つも含まれず」かつ「偶数が1つも含まれない」という事象を表しているため,「1と3のみが含まれている」場合と考えられます.
1と3のみの場合の数は,2 × 2 × 2 = 8 通りです.

ここが求まることで,A U B を求めることができ, n(A U B) = n(U)- n ( $ \overline{A \cup B} $ ) = 216 - 8 = 208 となります.

 

n(A U B) がでたら,n(A) と n(B) をあわせて n(A $ \cap $ B) を求めることができます.

個数定理  n(A $ \cap $ B) = n(A) + n(B) - n(A U B) を思い出します.

91 + 189 - 208 = 72 と計算できます.

確率については,72 ÷ 216 = 1/3 と求まります.

最終的には各領域の要素の個数がすべて求まりました.

 

(参考)もし直接解いていくと,どうなるか・・・

すべての場合の目の出方を出力しました(PCでスプレッドシートを用いています).

216通りです

{1, 1, 1}{1, 1, 2}{1, 1, 3}{1, 1, 4}{1, 1, 5}{1, 1, 6}{1, 2, 1}{1, 2, 2}{1, 2, 3}{1, 2, 4}{1, 2, 5}{1, 2, 6}{1, 3, 1}{1, 3, 2}{1, 3, 3}{1, 3, 4}{1, 3, 5}{1, 3, 6}{1, 4, 1}{1, 4, 2}{1, 4, 3}{1, 4, 4}{1, 4, 5}{1, 4, 6}{1, 5, 1}{1, 5, 2}{1, 5, 3}{1, 5, 4}{1, 5, 5}{1, 5, 6}{1, 6, 1}{1, 6, 2}{1, 6, 3}{1, 6, 4}{1, 6, 5}{1, 6, 6}{2, 1, 1}{2, 1, 2}{2, 1, 3}{2, 1, 4}{2, 1, 5}{2, 1, 6}{2, 2, 1}{2, 2, 2}{2, 2, 3}{2, 2, 4}{2, 2, 5}{2, 2, 6}{2, 3, 1}{2, 3, 2}{2, 3, 3}{2, 3, 4}{2, 3, 5}{2, 3, 6}{2, 4, 1}{2, 4, 2}{2, 4, 3}{2, 4, 4}{2, 4, 5}{2, 4, 6}{2, 5, 1}{2, 5, 2}{2, 5, 3}{2, 5, 4}{2, 5, 5}{2, 5, 6}{2, 6, 1}{2, 6, 2}{2, 6, 3}{2, 6, 4}{2, 6, 5}{2, 6, 6}{3, 1, 1}{3, 1, 2}{3, 1, 3}{3, 1, 4}{3, 1, 5}{3, 1, 6}{3, 2, 1}{3, 2, 2}{3, 2, 3}{3, 2, 4}{3, 2, 5}{3, 2, 6}{3, 3, 1}{3, 3, 2}{3, 3, 3}{3, 3, 4}{3, 3, 5}{3, 3, 6}{3, 4, 1}{3, 4, 2}{3, 4, 3}{3, 4, 4}{3, 4, 5}{3, 4, 6}{3, 5, 1}{3, 5, 2}{3, 5, 3}{3, 5, 4}{3, 5, 5}{3, 5, 6}{3, 6, 1}{3, 6, 2}{3, 6, 3}{3, 6, 4}{3, 6, 5}{3, 6, 6}{4, 1, 1}{4, 1, 2}{4, 1, 3}{4, 1, 4}{4, 1, 5}{4, 1, 6}{4, 2, 1}{4, 2, 2}{4, 2, 3}{4, 2, 4}{4, 2, 5}{4, 2, 6}{4, 3, 1}{4, 3, 2}{4, 3, 3}{4, 3, 4}{4, 3, 5}{4, 3, 6}{4, 4, 1}{4, 4, 2}{4, 4, 3}{4, 4, 4}{4, 4, 5}{4, 4, 6}{4, 5, 1}{4, 5, 2}{4, 5, 3}{4, 5, 4}{4, 5, 5}{4, 5, 6}{4, 6, 1}{4, 6, 2}{4, 6, 3}{4, 6, 4}{4, 6, 5}{4, 6, 6}{5, 1, 1}{5, 1, 2}{5, 1, 3}{5, 1, 4}{5, 1, 5}{5, 1, 6}{5, 2, 1}{5, 2, 2}{5, 2, 3}{5, 2, 4}{5, 2, 5}{5, 2, 6}{5, 3, 1}{5, 3, 2}{5, 3, 3}{5, 3, 4}{5, 3, 5}{5, 3, 6}{5, 4, 1}{5, 4, 2}{5, 4, 3}{5, 4, 4}{5, 4, 5}{5, 4, 6}{5, 5, 1}{5, 5, 2}{5, 5, 3}{5, 5, 4}{5, 5, 5}{5, 5, 6}{5, 6, 1}{5, 6, 2}{5, 6, 3}{5, 6, 4}{5, 6, 5}{5, 6, 6}{6, 1, 1}{6, 1, 2}{6, 1, 3}{6, 1, 4}{6, 1, 5}{6, 1, 6}{6, 2, 1}{6, 2, 2}{6, 2, 3}{6, 2, 4}{6, 2, 5}{6, 2, 6}{6, 3, 1}{6, 3, 2}{6, 3, 3}{6, 3, 4}{6, 3, 5}{6, 3, 6}{6, 4, 1}{6, 4, 2}{6, 4, 3}{6, 4, 4}{6, 4, 5}{6, 4, 6}{6, 5, 1}{6, 5, 2}{6, 5, 3}{6, 5, 4}{6, 5, 5}{6, 5, 6}{6, 6, 1}{6, 6, 2}{6, 6, 3}{6, 6, 4}{6, 6, 5}{6, 6, 6}

この時点で,手作業では無理ですが,さらに3つの数の積を求めます.

1,2,3,4,5,6,2,4,6,8,10,12,3,6,9,12,15,18,4,8,12,16,20,24,5,10,15,20,25,30,6,12,18,24,30,36,2,4,6,8,10,12,4,8,12,16,20,24,6,12,18,24,30,36,8,16,24,32,40,48,10,20,30,40,50,60,12,24,36,48,60,72,3,6,9,12,15,18,6,12,18,24,30,36,9,18,27,36,45,54,12,24,36,48,60,72,15,30,45,60,75,90,18,36,54,72,90,108,4,8,12,16,20,24,8,16,24,32,40,48,12,24,36,48,60,72,16,32,48,64,80,96,20,40,60,80,100,120,24,48,72,96,120,144,5,10,15,20,25,30,10,20,30,40,50,60,15,30,45,60,75,90,20,40,60,80,100,120,25,50,75,100,125,150,30,60,90,120,150,180,6,12,18,24,30,36,12,24,36,48,60,72,18,36,54,72,90,108,24,48,72,96,120,144,30,60,90,120,150,180,36,72,108,144,180,216

5で除して余り0 のものを抽出すると,91個ありました.FILTER関数とMOD関数を利用すると即計算できてしまいます, =FILTER(D:D,MOD(D:D,5)=0)

10 で除して余0のものを抽出すると,72個ありました.(上記関数の5→10にするだけ)

実生活でもし解決しなければならない,そして答えがわからない,というときには,PCを使用することで解を得ることもできます.そういう方法があるということを知っておくのも無駄ではないかと思います.

PCを用いない場合はかなりの時間と労力が必要となるので,やはり余事象や集合の考え方を用いるのが一番いいと思います.

 

メネラウスの定理が見えにくい場合の攻略法

線分の比を求める問題で,解説を読めばわかるんだけど,なかなかチェバとかメネラウスを使う三角形というのが見えてこないよ.

 

そういう時に,自分なりに気づいた攻略法というかコツがありますので紹介したいと思います.

 

チェバの定理よりメネラウスの定理の方が難しいと,もし思っているのなら,それは外分のパターンに慣れていないからというのが理由かもしれません.

 

次の図をみてください.AB : BC = 3 : 4 となるような3点があります.

ここでは,ACを 3 : 4 に内分する点がBです.

しかし,外分する点として3点の位置関係をとらえることもできます.

例えば,

ABを 7 : 4 に外分する点として C (進んで戻る)

BCを 3 : 7 に外分する点として A (戻って進む)

BAを 4 : 7 に外分する点として C (戻って進む)

CBを 7:  3 に外分する点として A (進んで戻る)

という感じです.

この「進んで戻る」とか「戻って進む」というのが外分を独特なものにしているように感じますし,なんとなく感覚をつかみにくくしているところなのかなと思います.

 

ケーキを何人分かに分けよう,となったときにいきなり何にもないところを切ろうとする,そんなありえないことをやっているのが外分なので,分けるという感覚からすると違和感を感じるのもわかる気がします.

 

ですので,線分とその比が与えられたとして,この AC を一つの辺として認識するのが普通かと思います.

しかし,この場合 「線分AB」と外分点,もしくは「線分BC」と外分点のように見ることもできます.

ですので,三角形を探すときに,AC で見るという以外に,

AB を辺としてみる.

BC を辺としてみる.

という作業を加えることで,違った景色が見えてくるかもしれません.意識としては「小さい三角形を探す」くらいの感覚がいいと思います.

例えば,この図において真ん中の点をOとします.

線分BRの比が与えられていますが,ここを辺BOとしてみることもできるはずです.

辺BOを4:1に外分する点がRという認識をするわけです.

線分PCについても,辺OCを1:5に外分する点がPだと認識することもできます.

すると,三角形BOCにおいて,B→O→C→B の順番にたどることで,チェバの定理が使用できます.

$ BR/RO = 4/1,$ $OP/PC=1/5,$ となることから

CQ/QB= 5/4 ⇒ CQ : QB = 5 : 4 と計算することができます.

外分⇒外分⇒内分 となっているのでこれも一応チェバの定理になりますが,この外分が1つ・3つだとメネラウスの定理となるわけなので,どちらも本質的には同じようなものと捉えることもできます.

 

この「行き過ぎてから戻る」というのもそうですが,点Oから点Cに向かうときに,「戻って」から「進む」というのがややこしいポイントかと思います.

 

そして,先ほどはO⇒Cと進みましたが,OCではなくOPに着目して,O⇒Pと進んでもいいですね.

するとP⇒Bと進むためには,一旦戻ってから進む必要があって,図のようにPBをPA: PBに外分する点Aを経由することになります.

外分⇒外分⇒外分 となって3つとも外分を使うことになりました.

変化球・変化球ときて,また変化球きましたね.

げんなりする気持ちもあるかと思いますが,全部外分なので,これはメネラウスの定理を使っていることになります.

$ \frac{4}{1} $× $\frac{4}{5}$ × PA/AB = $1 $

PA/AB = 5/16 ⇒ PA : AB = 5 : 16 さらに AP : PB = 5 : 11 となります.

 

こうやって見方をかえると,定理が使いやすくなってくるかもしれません.ぱっと見た感じ,辺ORと辺OCに着目することで,三角形ORCも見えてきます.同様に式をたてることができれば,RA:ACも求まりそうだな,とわかってくるかと思います.

 

AO:OQを求めるのも,いろんなパターンでやれそうですね.ここまで来れたなら,きっと出せるはずです.ぜひ考えてみてください.

 

三角形の線分比を求める(練習問題編)

三角形の線分比を求めるやり方ということで前回記事を書きました.

↓ こんなやつです(タップで開閉)

 

この線分比の図を見ながら解いていくことになります.色んなパターンでやってみて使えるようにしていきましょう.

 

前提として必ず問題には2組の線分比が与えられています.合計で6本の線分(三角形の辺 3本・内部にある3本)のうち2本の線分比が与えられることですべての線分比が決定されるからです.

6本のうち2本を選ぶ組み合わせは15通りありますが,大きくわけて次の4パターンになります.(外外・外内・外内・内内)

 

さて,実際に解いていきます.

 

外外

この三角形で線分比を出していきましょう.メネラウスの定理における逆キツネが見えてきます.があえてすべての線分比を求めるやり方で行きます.

 

PCとQBの数字が異なっています.このままでは元の図を使うことができません.

勝手に比をいじります.Aから遠いところの比が一致している必要があるからです.

そこから,222・333・444と書き入れていきます.

さらに頂点に近いところを(足して)埋めていきます.

これで,4:5あるいは6:3(2:1) と線分の比がでてきました.

 

外外 (hard mode)

少し難化させると,どうでしょうか

図の縮尺がおかしくはなりますが,PC→3とかわるパターンです.どう考えますか?

 

ここでも元の図を使うためにはPC・QBの数値を揃えておく必要があります.この2と3の最小公倍数を求めて,それにあわせていきます.

元の図と見比べてください.PCとQBが a になっているのと ここで 6 となっているのが一致しています.

先ほどと全く同じ手順でいけますね(省略).

 

次いきます.外外その2

これもFOXが見えていますね.メネラウスを使って出す問題だと思いますが,やはりキツネが見えない時もあると思うので,すべての線分の比を出していきましょう.

まずBから遠いところの比をみて,4:4に合わせていきます.勝手に線分を書き入れることもします.

ここまできたらAをみて333,Bをみて444,Qをみて444,そしてAに4+4, Bに4+3, Qに4+3 を書き入れていきます.

これで6つの線分すべての比がでました.

 

次です 外内パターン

Bをみて2が最初から共通なのでAみて111,Cみて111からそのまま進んでいける形です.

時に最小公倍数まで求めて比を調整することもあるので,矛盾なくそのまま進んでいける問題はより短時間で求めることができます.

この外内パターンを少し難化 (hard mode) させます.

b→2 a→1 と考えると, a+b=3 になりますが,右図の a+b に相当するところには 2 が見えるので矛盾が生じ,このままの a b c では使用できません.こういうときに最小公倍数を用いるとうまくいきます.3と2を一致させるために最小公倍数の6に対して合わせていきます.

ここまで来ると,さきほどと同じように線分比を埋めていくだけになります(略)

 

次は 内内のパターンです

このパターンだと,もし 3: 1 (3+1=4) と1: 4 (1+4=5) のそれぞれの和が等しいときは easy mode としてそのまま解いていくことができるのですが,ここでは和の合計が異なるため,比を調整することが必要になります.

(もし,メネラウスの定理を使うなら外分点が3つになったパターンになるし,チェバの定理使うときも外分点が2個のパターンになりそうなので難易度上がりますね.)

右の三角形をみてください.BEあるいは CFなど,内部にある線分は,比を足すと a + b + c になるというのに注目してください.このように比を足したものが一致しているとそのまま右の元図が使えます. a+b+c = 〇 になるように比をあらかじめ調整しておいてあげるとよさそうですね.

左の三角形では BR で 3+1 =4 , PCで 1+4=5 が見えているので,これが足して同じ数だったらいいなと考えるわけです(このへんは慣れてくるとなんとなくわかってくるやつです).

BRのところをあえて5倍して 15: 5 にして,PCのところを無理やり 4 倍して 4: 16 にします.するとどちらもたして20になるので,右の図の線分比を当てはめていけようになります(4と5の最小公倍数が20なのでそこを目指しました.強引ですが線分比でうまくいかないときは最小公倍数を使います).

Bから遠いところの比として5,Cから遠いところの比として4がでましたので順に書き入れていきます.あとはパズルみたく,5+〇=16 を考えてもいいし,5+4+〇=20 あるいは 〇+4=15 のどれを考えてもいいので,残り11を書き入れて完成です.

 

もうちょっと数学らしく解くやり方もあります.左右の三角形を見比べて

与えられた比から両者比較して

$ 3:1 = a+c : b ⇒ 3b = a + c  \cdot \cdot ① $

$ 1:4 = c : a+b ⇒ 4c = a + b \cdot \cdot ② $

①と②から $ 3b - 4c = c - b ⇒ 4b = 5c ⇒ b : c = 5 : 4 $

$ b= 5, c= 4 $ とすると,①②いずれからも  $a = 11 $ が得られるため

$a: b: c = 11 : 5 : 4 $と考えて良さそう(4b = 5c を ①か②に代入でもOK)

求めた $a, b, c $ をそれぞれ当てはめて,すべての線分の比を出すことができます.

 

以上で,だいたいのパターンを練習できたかと思います.メネラウス・チェバの定理を使えるようにしておくのに加えて,線分比の図から出すやり方も手札として持っておいて損はないと思うので,是非参考にしてみてください.

三角形の線分比を求めるやり方(昔流行ってたけど今でも便利なはず)

昔はチェバ・メネラウスの定理って習わなかったので,三角形の線分比を求める問題というのは,下の図のような線分比の定理(?) を覚えておいて求めていました.

当時(25年くらい前)は,数学の実況中継シリーズという参考書が流行っていて,そこで紹介されていたので,線分比を求めるためには広く使われていたんじゃないでしょうか.

 

今では,チェバの定理とメネラウスの定理を習うので,この2つを使いこなせれば,知らなくても問題ないので廃れてしまったのかもしれませんね.でも,知っておくと今でも便利に使えることは確かです.なんせ,$a, b, c$ の3つの数字だけで全ての線分比が表されるので,今でも覚えているくらいシンプルな良さがあると思います.

 

図のような三角形が与えられたとき,線分は全部で6つあるのですが,線分比のうち2つが問題文で与えられることが多く,どこか2つの比がわかると,残りの4つの線分比がすべて求められます.

このような図では AE: EC と BD: DC を既知として,さらに,AE と BD がいずれも 1 で同じです.ここが同じでなければ,比を調整しておきます(ex. 1: 2 → 2: 4 or 3: 6).
$c:a=1:2,\quad c:b=1:3\quad$ から $\quad c=1,\quad b=3,\quad a=2$ とわかるので

↑ のように数字を当てはめていけばすべての線分比を短時間で出すことができます.

 

※勘違いしやすいですが,あくまで上の値は「線分の比」ですので,線分上にならんだ二つの数値の比を示すだけです,「長さ」ではないため,頂点をはさんだ二つの線分の比はわかりません.注意してください.

 

ほんまかいな?と思う人もいてるかもしれないので,確認作業してみました(タップで開閉します).


メネラウスの定理に慣れていないので苦労していますが,チェバ・メネラウスの定理をわかっていれば,この線分比を求めることもできるので,忘れてしまっても導き出すことができます.

 

ちなみに,試験では「図のごとく,チェバ・メネラウスの定理により線分比が決まる」とか書いておけば採点者はわかってくれると思います.

 

線分比の覚え方ですが,もう一度,最初の図をみてください.

頂点Aからは3本の線分が出発しています.AB・AD・AC ですね.この3本の線分のうち遠い方の比が $ a $ になります.FB・GD・ECに $a$ が入ります.

同じく頂点Bからは BA・BE・BC の3本の線分が出ているので,Bからみて遠い方の比が $b$ になります.DC・GE・FAに $b$ が入ります.

頂点Cからは,CA・CF・CB の3本の線分が出ているので,Cからみて遠い方の比が $c$ になります.EA・GF・DBに $c$ が入ります.

こうやって $aaa \quad bbb \quad ccc $ という具合に書き込んでいくと systematic で間違えにくいと思います.

次に,頂点Aに着目します.Aの両隣には $b$ と $c$ が見つかります.この2つをたして,Aから近いところ (AG) に $b+c$ と書いてあげます.

頂点Bに着目すると,Bの両隣には $a$ と $c$ が居てますので,これも足して $a+c$ にしてBに近いところ (BG) に置いておきます.

頂点Cに着目すると,C の両隣には $a$ と $b$ が居てますので,足して $a+b$ としてCに近いところ (CG) に置いておきます.

 

文章で書くと,冗長になりがちですが,図で追っていくと下のようになります.

どんな定理にせよ,自分で使って確認してみる必要はあるかと思います.ゴロゴロ勉強の主旨からはずれますが,紙とペン持って,ご自身で書いて,最初の図をかけるようにしてみてください.

 

次は,「三角形の線分比を求める練習問題」を作成しておきますので,興味がわいた人はやってみてください.

 

 

高校になると数学のレベルがあがる.それに立ち向かうにはどうしたら良いのか?

高校になると数学のレベルが上がるといわれます.

 

学習していて壁に突き当たってしまうこともあると思いますので,そんな時のために解決策を考えてみました.

 

・ネットで納得のいく解説を探す.

・わかっている人に聞く

 

などは極めて有効な解決策ですが,独力でなんとかしたいときは,どうするか?

 

あくまで個人的な意見ですが,

「目の前の問題の easy mode あるいは hard mode を考えてみる」

というのが,有効な方策かもしれません.

 

例を出して説明していきます.

 

数学Aの最初の単元が「場合の数」です,青チャートにはこんな問題が載ってます(少し簡略化しています).サラっと解けますか?

540の正の約数は全部で何個あるか.

これがサラっと解けた.あるいはサラっと理解できた.という人はきっと自分でガンガン青チャート解いていける上位数パーセントの人なので,多少の壁は自力で突破していけるはず.

 

とりあえず解き方は次の通りです.

まず最初に,約数の個数は一般化されており,$N=p^aq^br^c・・・$ と素因数分解される整数Nについて,約数の個数は $(a+1)(b+1)(c+1)・・・$

となることが,わかっています.これを用いてまずは

$540=2^2・3^3・5^1$

素因数分解できます.

そしたら,3 × 4 × 2 = 24 となるので,24個(答え)とでます.

 

どうでしょうか,私自身はかなり難しいと感じます.正直なところ,一段一段の段差が高い階段を登っているような感覚ですね.これで基本例題かよ,,と感じる人は少なくないでしょう.

実はこの問題では「約数の個数」「約数の総和」という2つの課題が問われているのですが,両方を掘り下げていくとかなり長くなりそうなので,この記事では「約数の個数」のみに注目しています.

 

基礎問題精講に目を移すと,次のような問題が載っています.

72の正の約数について

(1) その個数を求めよ

(2) その総和を求めよ

対象となる数字そのものが小さくなったことで,ややとっつきやすくなったように感じます.これは easy mode になってますね.

やり方の本質はさきほどと同じなので,素因数分解して

$72 = 2^3・3^2$

よって約数の個数は $4 × 3 = 12$

と答えに行きつきます.

 

ただし,なんかすっきりと理解できないので,さらに easy mode を自分で考えてみます.

72からさらに小さな数 (36 → 18 → 12 → 6 など) を考えてみます.

やってみるとわかりますが,素因数分解することや約数の数え上げはどんどん簡単になるのですが,それだけではなんだかすっきりしません.

結局,約数をどうやって求めていくのか,探していくのかという疑問に行き当たります.そこで次の表を作りました.

この表のように,素因数が2つであれば表に書き出すことができ,この表の▢で囲んだ部分が,約数の集まりになっていることがわかります.

36→18→6 と数字を簡単にしていくと,この表における a や b の値が小さくなりますので,約数の個数も減少します.

例えば,6(a=1, b=1) の場合を考えると,表から {1, 2, 3, 6} の4つが見えてきます.(下の画像の色付きの部分)

同様に 4 (a=2, b=0) であれば,1, 2, 4 が見えますし,18 (a=1, b=2) であれば 1, 2, 3, 6, 9, 18 が見えると思います.あえて hard mode にすると 108 (a=2, b=3) では 1, 2, 4, 3, 6, 12, 9, 18, 36, 27, 54, 108 が約数として見えてくるわけです.もっと大きな数はこの表を拡大していけば,その約数全てを拾うことができるわけです.

約数全てがこの表から拾えるのであれば,表の縦×横で約数の個数が求められますね.

(約数の総和を求めるときも,この表の数を全部足すだけです)

 

これ以外にないのかい?と思うかもしれませんが,約数というのはすべて素因数 (と1) から構成されていて,この表で素因数の各乗数の組み合わせが網羅されているため,これですべてになるはずです.

 

今までは「割り切れるかどうか」を考えて約数を見つけていたはずなので,6の約数は {1, 2, 3, 4, 5, 6} を順に試していって 割り切れる{1, 2, 3, 6} の4つが約数だと見つけていたと思います.

 

ところが,今やった表のように,「指数の組み合わせから探していく」ほうが,より汎用性が高いやり方になります. 素因数分解 ($6=2^1×3^1$) した上で,指数の組み合わせを考えて

{$2^0×3^0,\ 2^1×3^0,\ 2^0×3^1,\ 2^1×3^1$} → {$1, 2, 3, 6$} と数え上げていく方法を身に着けることができました(か?).

表の様にして約数が決まる(見つかる)とすれば,一般化して $N=2^a×3^b$ の約数の個数が $ (a+1)×(b+1) $ で決まることも感覚としてわかりやすくなったでしょうか.

 

ここでもまだ多少の論理の飛躍があるように感じるかもしれません.別の角度から約数を考えてみます.

約数⇒ 割り切れる数 ⇒ 〇×▢ ・・・割る数×商(あるいは因数×因数)とできる数です.

72の約数⇒ 2×2×2×3×3=〇×▢ となる〇 (あるいは▢) が約数になるので,2を何個とりだすのか ( 0個なのか1個なのか2個なのか3個なのか) の4通りから1つ選ぶ,そして3を何個とりだすのか ( 0個なのか1個なのか2個なのか) の3通りから選ぶ,というやり方で積をつくればそれが約数になってるはずです.積の法則というのをやっていれば理解しやすいですがこのようにして,4 (通り) × 3 (通り) = 12 (通り) の約数が作れるわけです.

 

数字を数字のまま扱うのは概念として難しいので,さらに具体化 (easy mode ?) して別問題を作成してみます.

みかんが3個,りんごが2個ある.それぞれを取り出す組み合わせは何通りか.(ここでは 0個&0個も1通りと数えることにします)

いちいち言わなくて大丈夫だとは思うのですが,2を何個採用するのか → 「みかん」  3を何個採用するのか → 「りんご」 に置き換えただけです.

このセル(ます目)の数が12個あるので12通りと答えることができます.

表でやったことを樹形図にすることもできます.

約数の個数の問題が,みかんとりんごの問題にかわってきていますが,考え方としてこちらのほうがわかりやすく感じる人もいると思います.


もちろん,余計にこんがらがってきたよ,という人もいると思うので,みかんやりんごよりも数字は数字として考えた方が直接的でいいかもです.

 

このへんは個人個人感じ方が違うので,あるいはお金に変換して例えば

「みかん・りんご」⇒「1000円札・100円玉」のように考えた方が圧倒的に理解できる人もいるでしょう.

1000円札が3枚,100円玉が2枚ある.それぞれを取り出して作れる金額の組み合わせは何通りか.(ここでは 0円も1通りと数えることにします)

 

少し脱線したかもしれませんが,こうやって $N=2^a×3^b$ の約数の個数が $ (a+1)×(b+1) $ で決まるというところまでこれたら,hard mode を考えていくとさらに一般化することができます.

$N=2^a×3^b×5^c$ の約数の個数は?

⇒$ (a+1)×(b+1)×(c+1) $

3つ以上の因数がでてくると表にするのは難しくなりますが,樹形図で考えることはできます.$540=2^2・3^3・5^1$ の場合だと下の図です.

a乗であれば 0 の時も考えて (a+1) 通り,b乗であれば 0 の時も考えて (b+1) 通り,c 乗であれば同様に (c+1) 通り を考えることになって,素因数が3つの時でも同じように考えることができます.

さらに hard mode になりますが,2, 3, 5 のほかに 7 が素因数になったら?

7の指数が d だとすると (d+1) をかけたら約数の数を出すことができますね.

そんなわけで,

$N=p^aq^br^c・・・$ と素因数分解される整数Nについて,約数の個数は $(a+1)(b+1)(c+1)・・・$

という一般化された式を理解することに近づくことになります.

 

このように easy mode を考える際には,「数を小さくしてみる (540→72)」「種類を減らしてみる (素因数5を省く)」「具体化してみる (みかんとりんご)」,他には「次数をさげてみる」なんかもありかもしれません.

easy mode を考えていく中で,法則性とか一般化などの手がかりが見えてくることがあります.具体的→抽象的 というステップアップは hard mode にするということですが,easy にして hard にして というのをやってみると,物事の見え方が変わってくるので,問題に行き詰った時は,考えてみてはどうでしょうか.

 

長くなりましたが,参考になれば何よりです.

 

「遠回りすることが一番近道」by イチロー