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三角形の線分比を求めるやり方(昔流行ってたけど今でも便利なはず)

昔はチェバ・メネラウスの定理って習わなかったので,三角形の線分比を求める問題というのは,下の図のような線分比の定理(?) を覚えておいて求めていました.

当時(25年くらい前)は,数学の実況中継シリーズという参考書が流行っていて,そこで紹介されていたので,線分比を求めるためには広く使われていたんじゃないでしょうか.

 

今では,チェバの定理とメネラウスの定理を習うので,この2つを使いこなせれば,知らなくても問題ないので廃れてしまったのかもしれませんね.でも,知っておくと今でも便利に使えることは確かです.なんせ,$a, b, c$ の3つの数字だけで全ての線分比が表されるので,今でも覚えているくらいシンプルな良さがあると思います.

 

図のような三角形が与えられたとき,線分は全部で6つあるのですが,線分比のうち2つが問題文で与えられることが多く,どこか2つの比がわかると,残りの4つの線分比がすべて求められます.

このような図では AE: EC と BD: DC を既知として,さらに,AE と BD がいずれも 1 で同じです.ここが同じでなければ,比を調整しておきます(ex. 1: 2 → 2: 4 or 3: 6).
$c:a=1:2,\quad c:b=1:3\quad$ から $\quad c=1,\quad b=3,\quad a=2$ とわかるので

↑ のように数字を当てはめていけばすべての線分比を短時間で出すことができます.

 

※勘違いしやすいですが,あくまで上の値は「線分の比」ですので,線分上にならんだ二つの数値の比を示すだけです,「長さ」ではないため,頂点をはさんだ二つの線分の比はわかりません.注意してください.

 

ほんまかいな?と思う人もいてるかもしれないので,確認作業してみました(タップで開閉します).


メネラウスの定理に慣れていないので苦労していますが,チェバ・メネラウスの定理をわかっていれば,この線分比を求めることもできるので,忘れてしまっても導き出すことができます.

 

ちなみに,試験では「図のごとく,チェバ・メネラウスの定理により線分比が決まる」とか書いておけば採点者はわかってくれると思います.

 

線分比の覚え方ですが,もう一度,最初の図をみてください.

頂点Aからは3本の線分が出発しています.AB・AD・AC ですね.この3本の線分のうち遠い方の比が $ a $ になります.FB・GD・ECに $a$ が入ります.

同じく頂点Bからは BA・BE・BC の3本の線分が出ているので,Bからみて遠い方の比が $b$ になります.DC・GE・FAに $b$ が入ります.

頂点Cからは,CA・CF・CB の3本の線分が出ているので,Cからみて遠い方の比が $c$ になります.EA・GF・DBに $c$ が入ります.

こうやって $aaa \quad bbb \quad ccc $ という具合に書き込んでいくと systematic で間違えにくいと思います.

次に,頂点Aに着目します.Aの両隣には $b$ と $c$ が見つかります.この2つをたして,Aから近いところ (AG) に $b+c$ と書いてあげます.

頂点Bに着目すると,Bの両隣には $a$ と $c$ が居てますので,これも足して $a+c$ にしてBに近いところ (BG) に置いておきます.

頂点Cに着目すると,C の両隣には $a$ と $b$ が居てますので,足して $a+b$ としてCに近いところ (CG) に置いておきます.

 

文章で書くと,冗長になりがちですが,図で追っていくと下のようになります.

どんな定理にせよ,自分で使って確認してみる必要はあるかと思います.ゴロゴロ勉強の主旨からはずれますが,紙とペン持って,ご自身で書いて,最初の図をかけるようにしてみてください.

 

次は,「三角形の線分比を求める練習問題」を作成しておきますので,興味がわいた人はやってみてください.