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メネラウスの定理が見えにくい場合の攻略法

線分の比を求める問題で,解説を読めばわかるんだけど,なかなかチェバとかメネラウスを使う三角形というのが見えてこないよ.

 

そういう時に,自分なりに気づいた攻略法というかコツがありますので紹介したいと思います.

 

チェバの定理よりメネラウスの定理の方が難しいと,もし思っているのなら,それは外分のパターンに慣れていないからというのが理由かもしれません.

 

次の図をみてください.AB : BC = 3 : 4 となるような3点があります.

ここでは,ACを 3 : 4 に内分する点がBです.

しかし,外分する点として3点の位置関係をとらえることもできます.

例えば,

ABを 7 : 4 に外分する点として C (進んで戻る)

BCを 3 : 7 に外分する点として A (戻って進む)

BAを 4 : 7 に外分する点として C (戻って進む)

CBを 7:  3 に外分する点として A (進んで戻る)

という感じです.

この「進んで戻る」とか「戻って進む」というのが外分を独特なものにしているように感じますし,なんとなく感覚をつかみにくくしているところなのかなと思います.

 

ケーキを何人分かに分けよう,となったときにいきなり何にもないところを切ろうとする,そんなありえないことをやっているのが外分なので,分けるという感覚からすると違和感を感じるのもわかる気がします.

 

ですので,線分とその比が与えられたとして,この AC を一つの辺として認識するのが普通かと思います.

しかし,この場合 「線分AB」と外分点,もしくは「線分BC」と外分点のように見ることもできます.

ですので,三角形を探すときに,AC で見るという以外に,

AB を辺としてみる.

BC を辺としてみる.

という作業を加えることで,違った景色が見えてくるかもしれません.意識としては「小さい三角形を探す」くらいの感覚がいいと思います.

例えば,この図において真ん中の点をOとします.

線分BRの比が与えられていますが,ここを辺BOとしてみることもできるはずです.

辺BOを4:1に外分する点がRという認識をするわけです.

線分PCについても,辺OCを1:5に外分する点がPだと認識することもできます.

すると,三角形BOCにおいて,B→O→C→B の順番にたどることで,チェバの定理が使用できます.

$ BR/RO = 4/1,$ $OP/PC=1/5,$ となることから

CQ/QB= 5/4 ⇒ CQ : QB = 5 : 4 と計算することができます.

外分⇒外分⇒内分 となっているのでこれも一応チェバの定理になりますが,この外分が1つ・3つだとメネラウスの定理となるわけなので,どちらも本質的には同じようなものと捉えることもできます.

 

この「行き過ぎてから戻る」というのもそうですが,点Oから点Cに向かうときに,「戻って」から「進む」というのがややこしいポイントかと思います.

 

そして,先ほどはO⇒Cと進みましたが,OCではなくOPに着目して,O⇒Pと進んでもいいですね.

するとP⇒Bと進むためには,一旦戻ってから進む必要があって,図のようにPBをPA: PBに外分する点Aを経由することになります.

外分⇒外分⇒外分 となって3つとも外分を使うことになりました.

変化球・変化球ときて,また変化球きましたね.

げんなりする気持ちもあるかと思いますが,全部外分なので,これはメネラウスの定理を使っていることになります.

$ \frac{4}{1} $× $\frac{4}{5}$ × PA/AB = $1 $

PA/AB = 5/16 ⇒ PA : AB = 5 : 16 さらに AP : PB = 5 : 11 となります.

 

こうやって見方をかえると,定理が使いやすくなってくるかもしれません.ぱっと見た感じ,辺ORと辺OCに着目することで,三角形ORCも見えてきます.同様に式をたてることができれば,RA:ACも求まりそうだな,とわかってくるかと思います.

 

AO:OQを求めるのも,いろんなパターンでやれそうですね.ここまで来れたなら,きっと出せるはずです.ぜひ考えてみてください.